10秒12という100m走でもかなり早い部類にはいるこのタイム。
これが短距離走のタイムではなく、サッカーで試合開始後ゴールが決まった
タイムというから驚きです。
しかもその試合は世界最高峰のUEFAチャンピオンズリーグでのこと。
更に対戦カードがバイエルンミュンヘンvsレアル・マドリードという
世界のクラブチームでも間違いなく5本指に入るであろう
両チームの試合で起きたのです。
それは2006-2007シーズンのチャンピオンズリーグでの試合でした。
ゴールを決めたのはバイエルンミュンヘンのマカーイでした。
マカーイの略歴
オランダ出身で現在は43歳。
現在は自身も在籍したことのあるオランダの名門フェイエノールトでU-15のカテゴリーで
監督して活躍しているようです。
オランダ代表としては、怪我や監督との相性などでワールドカップ出場の経験がないなど
世界の名だたるスターの中ではやや物足りなさを感じる部分もあるかもしれませんが、
その実力は疑いようがありません。
実際に、リーガエス場ニョーらで活躍していた時代にはリーガ得点王と
欧州ゴールデンブーツ(欧州各リーグの最多得点王に贈られる)にも輝いています。
更にバイエルンへ移籍してからも104試合で67ゴールという実績。
全くプレースタイルの異なる両リーグでこれだけの実績を残している選手は
なかなかいないでしょう。
当時のオランダ代表にはファン・ニステルローイというもうひとりの
スーパーフォワードの存在が代表での存在感を薄めてしまったかもしれませんが
間違いなく世界のトッププレイヤーでした。
キックオフから10秒12!チャンピオンズリーグ史上最速ゴール!
ゴールシーンを抜粋した映像が試合開始のキックオフから始まるというのも珍しいかも
知れませんが、開始10秒でのゴールとなればそれも納得です。
レアル・マドリードキックオフで始まったこの試合、
ボールはそのままレアル陣内へ運ばれます。
まずは少しボールを繋ぎながら様子をみる…というタイミングですが、
左サイドのロベルト・カルロスに渡ったボールは予想以上に弾みます。
ロベルト・カルロスへのボールが多少浮いていたこともありますが
それでも彼がミスをするほどに酷いパスではありませんでした。
通常であれば多少トラップが大きくなった、程度ですが
チャンピオンズリーグ決勝トーナメントの1回戦2ndlegであるこの試合、
実は1stlegでレアルに負けていたバイエルンには後がありませんでした。
その必死さがバイエルンの試合開始直後からのプレスにあらわれていました。
「普通」の試合であればなんてことのないミスが、失点につながる致命的な
ミスとなったのです。
ロベカルのミスしたボールをかっさらった、サリハミジッチがそのまま
ドリブルでアタッキングサードへ侵入。
レアルDF陣は完全においていかれていました。
ゴールされたときには4人ものDFがペナルティーエリア内にいたにも関わらず、
ゴール前のマカーイを誰一人として捉えることができなかったのです。
サリハミジッチのクロスボールをトップスピードで走り込んだマカーイが
ダイレクトで正確に流し込んだそのテクニックも驚異的でした。
それでは、もう一度観てみましょう。
コチラの記事に、このゴールについての詳しい取材の様子が描かれていました。
開始10.12秒の一撃…マカーイのCL最速弾から10年「夢のようだったよ」
https://www.soccer-king.jp/news/world/cl/20170307/560118.html