このゴールが生まれたのは2010−2011シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ
決勝トーナメント1回戦1stleg
アーセナルvsバルセロナの試合でした。
それでは早速ゴールの様子を観てみましょう!
完璧な崩し。バルサDFを完全崩壊させた一撃必殺のカウンター!
この試合、下馬評では圧倒的にバルセロナ有利とされていました。
その理由はバルセロナが史上最強のチームと呼ばれるほどに完成度の高い時期であった
一方でアーセナルは2007−2008シーズンに躍進したチームの中心選手である
フラミニ、フレブ、コロ・トゥーレ、アデバヨールなどが抜けてしまい新たなチーム
づくりを余儀なくされていたからです。
それでも、この試合が行われた2010−2011シーズンには各ポジションにタレントが
揃い始めておりこれからが期待されるチームでもありました。
ちなみにバルセロナはリーガで勝ち点99を積み上げるなど驚異的な成績を残す、
レアル・マドリードを5−0で粉砕するなどチーム状態がとても充実していた
シーズンでした。
圧倒的不利の下馬評を覆したアーセナル
結果的にこの試合、アーセナルが2−1で勝利を収めます。
ゴールの様子を見てみるとサポーターの異様なほどの盛り上がりであることが
わかりますが、この試合バルセロナに先制されその後の逆転ゴールがこの
アルシャヴィンのゴールだったのです。
盛り上がらないわけがありません。
動画を改めてよく観てみると、センターでボールをもった…恐らくメルテザッカー
でしょうか。
彼の右足アウトサイドから放たれたボールは、右サイド前方を駆け上がる
選手の足元に綺麗に収まります。
右サイドを駆け上がる選手のスピードと前方のスペースを活かした完璧な
スルーパスです。
この動画には映っていないですが、恐らくバルセロナが攻めている中で
アーセナル守備陣がボールを奪い、素早いカウンターに転じたことが予想
されます。
メルテザッカーがボールを放った瞬間に、明らかにバルセロナのDFラインは
いびつな形になっているからです。
そのままボールを持ってエンドライン近くまで駆け上がり、味方選手が
ゴール前へ上がってくるのを待ちます。
最初にゴール前へ上がってきたのは当時のアーセナルでストライカーとして
覚醒していたファン・ペルシーでした。
しかし、ゴール前にはラインが崩れていたとはいえすでに3人のDFが
ポジションをしっかりとっていてファン・ペルシーへボールを渡すのは
困難でした。
その更に後ろから上がってきたのが、アルシャヴィンでした。
ボールを持った選手にばかり目が行き、ファン・ペルシーを気にするのが
やっとの状態であったDF陣には彼にボールが渡るまでアルシャヴィンの
存在には気づかなかったでしょう。
アルシャヴィンはほぼノープレッシャーで丁寧にゴール右サイドネットに
ボールを転がし、見事にゴールを決めました。
サイドから持ち上がり、時間差で中に入ってきた選手へ丁寧にパス。
それをアルシャヴィンが丁寧にゴールへという完璧なカウンターで
見事に下馬評を覆し勝利したアーセナル。
こういう何が起こるかわからないスペクタクルな展開こそ
UEFAチャンピオンズリーグの最大の魅力かもしれません。
それでは最後にもう一度